安来市議会の第99回定例会が6月11日、開催された。
この日は、初めに議会運営委員の辞任許可があり、丸山征司議員の退席が求められた。丸山議員の委員辞任が異議なく許可されたことを受けて、田中武夫市長は、同議員の一般質問に対する発言に対して、執行部として強い抗議を表明し、発言の取り消しと謝罪を求める旨を述べた。
市長は、丸山議員が提起した予算の事実に基づかない発言について説明し、一連の発言が、市民に対して誤解を与えかねない状況であると指摘した。特に、前市政の財政調整基金の取崩しについて、丸山議員が個人の財産のように発言したことは、誤った印象を与え、好ましくないと言及。更には、発言の根拠が明らかでないことも指摘した。
丸山議員はその後、応答の中で自身の発言を訂正し、市長の説明に対する反論を行ったが、議論は水掛け論となり、再び疑念を生む結果になった。特に、財政状況に関する見解の違いが浮き彫りになり、議会内での対立を明らかにした。これを受けて、足立喜信議員からは丸山議員の発言の取消しを求める動議が提出され、賛成多数で可決された。
その後、議題に上がったのは、「指定管理者の指定について」および「陳情書(富田山荘の利活用について)」である。総務企画委員長の足立議員は、今回の指定についての報告を行い、議第76号を全会一致で可決すべきものと判断したことを述べた。また、富田山荘の利活用は議会内でも賛否が分かれる形となり、陳情第5号は賛成多数で趣旨採択される結果となった。
「選択的夫婦別姓を導入した民法改定を求める意見書」の提出も議題として取り上げられたが、文教福祉委員会からの報告を受けて賛成少数で不採択となった。議場では様々な意見が交わされており、国の議論を待つ必要があるとして、特に文化を重視する発言も目立った。
最終的に、新型コロナの影響による米価下落対策を求める意見書の提案が行われたが、こちらも賛成が得られず否決された。これまでの議論の影響もあり、多くの議員が慎重な姿勢を崩さなかった。
この日程では、複数の補正予算に関する議案が報告され、全て原案通り可決される運びとなった。特に、コロナ禍の中で育成事業や生活支援金給付が承認され、今後の市民支援が期待される内容となった。加えて、井尻財産区管理会の管理委員選任も無事に承認された。
安来市は引き続き市民生活の充実を図りながら、議会の決定に基づいた施策を進めていく方針を示した。