第101回安来市議会定例会では、重要なテーマとしてコロナ対策と子ども・子育て支援が取り上げられた。
議員からはコロナ対策として、特に検査体制の強化が求められた。向田聡議員は、コロナウイルスの影響を受けた医療提供体制の現状を説明し、特に高齢者や障害者、保育所などの福祉施設での定期的な検査が必要であるとの見解を示した。これに対し、吉野健康福祉部次長は現在、島根県が行う新型コロナ対策の一環として、無料検査キットの配布が行われていると答えた。現状は県の事業に依存しているが、市独自の対策も今後検討する必要があると強調した。
さらに、生活困窮者への支援としてもその重要性が指摘された。向田議員は、コロナの影響で資金繰りに困難を抱える市民が増えている中、生活福祉資金の返済免除や猶予の拡充を求めた。この点について、中村健康福祉部長は、生活福祉資金特例貸付けの制度について説明した。特に、非課税世帯には返還免除が適用されることがあり、今後さらに周知や支援体制を整えていくと述べた。
次に、子ども・子育て支援については、こども基本法が成立したことを受け、安来市の施策の充実が求められた。向田議員は、児童虐待や不登校の問題を挙げ、市としての対応を強化すべきだと訴えた。特に、母子保健と連携した新たな相談支援体制の構築が必要であるとの意見が示された。吉野健康福祉部次長は、現在の子ども未来課の取り組みを紹介し、今後の子ども家庭センターの設置に向けた検討を進めていく考えを述べた。
一方、安来市地域公共交通計画に関連した議論も行われた。宇山政策推進部長は、公共交通の維持管理に向けた施策の進捗状況について説明し、特に利用者数の回復とタクシーなどの新たな取組について言及した。地域内輸送のデマンド型交通に関する疑問も多く寄せられ、地域住民の理解や参加を促進する方策についても検討を進めていくことを明言した。
これらの議論を受けて、安来市議会は今後も引き続き市民の生活を支えるための施策を検討していく方針である。特にコロナ禍の影響を受けた市民へのサポートと子ども・子育て支援の充実が、これからの重要なテーマとして位置付けられることになるだろう。