令和5年6月2日に開催された第101回安来市議会定例会では、一般質問が行われた。特に、岡本早智雄議員は安来市の森林整備について徹底的な議論が展開された。
近年、森林の重要性が再評価されている中、岡本議員は「安来市の面積の約7割が森林であるが、今後の森林整備と林業振興が不可欠である」と訴えた。とりわけ、森林環境譲与税の設立目的を踏まえ、安来市が抱える問題として、近年の林業の現状について問題提起した。
農林水産部長細田孝吉氏によれば、過去の間伐事業や伐採業務の実績は不十分であるということだった。「伐採後の再造林は、現在の状況では達成されていない」とし、特に個人所有林が整備されていないことが課題であると述べた。
さらに、岡本議員は「今後の森林環境を保全していくためには、地域住民も含めた議論が必要だ」と強調した。市長の田中武夫氏も「森林整備を進め、地域の特色を活かしながらカーボンニュートラルを実現する」と応じた。
議会では次いで、教育長の秦誠司氏が、現在進行中の認知症施策の一環として、地域住民への啓発活動を進めることが進言された。佐々木厚子議員も、その重要性を強調し、「地域全体で認知症を理解し合うことが大切である」と述べた。さらなる普及活動として市内各所での活動や啓発セミナーの企画が提案された。
また、クーリングシェルターの導入についての質問もあり、「熱中症対策の重要性を踏まえ、冷房施設の開放を順次検討している」との答弁があった。地域の特性を活かした温暖化対策も提案され、その実施によって地域住民の安全が保障されることを期待した。
風力発電に関する議論も活発であり、第三者としての調査に基づく影響評価を重視する意見が多く寄せられた。澤田秀夫議員は「現地調査を通じ、実際に影響が生じているのかどうか確認していくことが重要だ」と述べ、慎重な判断を求めた。