第100回安来市議会定例会が令和3年12月3日に開催され、一般質問が行われた。この場では、少子・高齢化、米価の下落、中山間地域の農業などの重要課題が論じられ、議員たちの真剣な議論が展開された。
質問者の清水保生議員は、少子・高齢化対策について尋ね、自身の選挙戦での地域の声を市政に届ける意向を表明した。特に中山間地域農業の現状と課題について、後継者不足や農業従事者の高齢化が深刻であるとの認識を示した。清水議員は、農業の維持に向けて特別支援が必要であると訴え、今後の具体的支援について意見を求めた。
これに対し、細田孝吉農林水産部長は、農業に関する新しい取り組みを明示した。具体的には、ラジコン草刈り機やドローンの導入事例を挙げ、農業における生産性向上に向けた方策を実施していることを説明した。さらに、イノシシやヌートリアなどの有害鳥獣からの被害についても触れ、捕獲実績を示しながら、それに対する補助金制度の充実が必要とする見解を伝えた。
次に、米価の下落に対する支援策についても議論が行われた。清水議員は安来市としても、米価の安定を求める国への要望が重要であるとの点を強調した。その上で、安来市の農業セーフティーネット加入促進事業の設立を紹介し、補助制度の活用を呼びかけた。
教育長の秦誠司氏は、小学校教育の現状と課題についての質問に対し、児童数の減少や複式学級の現状を挙げ、地域に根差した学校教育の必要性を強調した。安来市としては、学校の統廃合や適正配置について慎重に進める意向を表明し、地域社会での教育環境の整備が喫緊の課題であることを示した。
安来市立病院の水澤清昭氏は、地域医療の確保について、救急医療と在宅医療に注力する方針を述べた。市立病院の経営改革にも触れ、医療提供体制の充実を目指す中で経営の健全化に向けた努力が続けられていることを説明した。
最後に、いじめ防止に関する意識調査の実施や、教育現場での人権尊重の重要性についても言及され、子供たちに優しい社会が求められる中で、具体的なアクションの必要性が指摘されるなど、多岐にわたる内容であった。各議員の質問に対する答弁を通じ、安来市の今後の施策や課題への取り組みが重要であると実感される会議であった。