第100回安来市議会定例会が令和4年3月3日に開幕した。
本議会では、市長田中武夫氏が施政方針を説明後、議員による会派代表質問が行われた。特筆すべきは、公共施設利活用推進会議の成果や、安来市立病院の改革、新年度予算策定の課題が議論されたことだ。
市民クラブの澤田秀夫議員は、公共施設の在り方や市立病院の経営改革に関して質問。「田中市長の考える安来市の未来に向けた市民の意見を取り入れた施策を伺いたい」と訴えた。
建設部長の二岡敦彦氏は、道路整備に関する進捗について言及。「市道安来港飯島線の用地取得がほぼ完了し、仮設橋設置工事が進行中である」と述べた。
さらに、脱炭素社会を目指す取り組みについても質問が重ねられ、市民生活部長の高木肇氏は「安来市のCO2排出量は、2018年に対比で16.5%減少している。引き続き、地域の特性を生かした脱炭素化施策を進める」と報告。
中山間地域の農業支援についても議論がされた。細田農林水産部長は、「耕作放棄地が増加する現状を受け、軽労働農作物の導入支援を検討している」とコメントし、地域の活性化を図る方針を強調した。
マイナンバーカードの普及促進について、原市民生活部長は「現在の登録率は49%であり、更なる市民周知が必要である」と述べるとともに、市の方向性を示した。アフターコロナに向けた観光振興策も進められており、観光協会との連携強化が打ち出されている。
最後に、予算決算委員長の原瀬清正氏が一般会計補正予算及び病院事業会計補正予算について報告し、議会は全会一致で可決した。今後、より多くの市民の声を反映し、安来市の未来を築いていく方針が堅持された本議会であった。