第99回安来市議会定例会が令和3年3月3日に開催され、コロナウイルス感染症対策の重要性が再確認された。
議長の葉田茂美君が会議を開く中、石倉刻夷議員が市長の施政方針に対する質問を行った。質問の中で、地域包括ケアシステムの推進や農業振興地域の見直しに関する具体的な取り組みが求められた。市長の田中武夫君は、地域包括ケアの理解を深め、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、介護予防や生活支援を強化する方針を示した。さらに、農業振興地域の整備計画においては、約2年間のスケジュールを示し、基礎調査を1年内に終了させる意向を語った。
続いて、付託された令和2年度安来市一般会計補正予算についても審査が行われ、新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業の必要性が認識された。佐々木厚子予算決算委員長からの報告によると、委員会設定された予算には、850万円が計上されている。なお、ワクチン接種の予約業務やコールセンターの設置においても、職員体制を強化する方針が挙げられた。
また、空き家対策に関して田中市長は、地域の皆様との連携を重視し、地域活性化を促進するための空き家バンクの活用を進めていると述べている。令和2年度には通常の一桁から13件に登録件数が増加しており、地域との情報共有が鍵であると強調した。
さらに、市長の施政方針には新型コロナウイルス感染症対応の関連施策として、医療従事者への支援や地域経済活性化策も検討していることが盛り込まれた。市民生活への影響を最小限にするため必要な支援体制を整え、商工振興費における中小企業への支援策も引き続き進めていく意向を示した。
最後に、消防団員の拡充やカーブミラーの点検整備についても言及された。消防団員の減少が全国的な課題である中、地域防災の観点からもその確保が急務とされており、団員の増員に向けた施策を進める考えが示された。
安来市では、これらの施策を通じて、今後とも市民の生活の安定と地域の活性化を図る意向が明確にされ、市長及び議会の積極的な取り組みに期待が寄せられている。