第101回安来市議会定例会が令和5年9月7日に開催され、多くの議題が取り上げられた。特に、安来市の人口動態の推移と今後の地域づくりについて厳しい現実が認識された。安来市は、昭和60年に人口がピークに達して以来、年々減少を続け、合併後の平成16年以降も自然減と社会減が進行している。特に令和2年の国勢調査によると、安来市の未婚率は36.4%に達しており、若年層の人口が激減している。これにより、地域の活力が失われていく懸念が高まっている。
さらに、地域づくり活動においても、自らの地域の将来像や課題解決に向けて、地域住民が積極的に関与することが求められている。昨年の安来市交流センターを核とした地域づくりのあり方検討委員会では、地域特性を活かした活動の重要性が確認され、地域運営組織の設立が提案された。地域の問題を自分たちで考え、共に解決に取り組む姿勢が必要だと強調された。
このような中、地域要望の増加にもかかわらず行政の人手不足が影響しているのも事実で、より柔軟で迅速な対応ができる体制構築が課題となっている。特に、道路や河川といったハードなインフラ要望が挙がっており、これに対する予算措置に関しては行政がどのように取り組むかが焦点となる。
また、学校避難所の防災機能についても改めて議論が行われた。安来市の学校では指定避難所として25校が設置されており、収容可能人数は約1万9,550人。しかし、学校ごとの設備やトイレの整備状況にはバラツキが見られ、今後の改善の必要性が示唆された。特に地域の高齢化が進む中、地域の安全を守るための具体的対策が急務であることが訴えられた。
加えて、帯状疱疹ワクチン接種への関心が高まっていることも報告された。このワクチンは高齢者に特に効果があり、医療機関での助成制度の拡充が待望される。これまでの医療政策を踏まえ、安来市も積極的な支援を検討すべきであるとの意見も聞かれた。
超ソロ社会の問題も浮き彫りとなっている。婚姻件数が減少しつつある中、安来市では婚活支援の取り組みが求められる場面が増えており、マッチングアプリや婚活イベントの拡充が期待されている。
このように、今回の定例会議では、地域活性化や防災対策、健康支援、婚活対策など、様々な課題が浮き彫りになった。今後の安来市が持続可能な地域づくりを進めていく上で、これらの施策が重要となる。