12月5日に開催された第98回安来市議会定例会では、学校教育や福祉関連の重要な議題が議論された。
特に注目を集めたのは、学校図書館司書の全校配置と少人数学級制度についての評価だ。教育長の勝部慎哉氏は、少人数学級により一人一人にきめ細やかな指導が行え、新たな人間関係の構築にも寄与していると強調した。また、学校図書館司書が全校に配置されたことにより、図書館利用が活発化し、学習環境が向上しているという。
一方、県が少人数学級の見直しを進めていることに対し、市長は「少人数教育は深い学びを保障する重要な教育条件である」と懸念を表明し、県への働きかけを強化すると致した。
さらに、体育館内の障がい者用トイレ設置に関する質問があり、安来市内の小・中学校の洋式トイレ率は27.6%と低く、この数値の改善が求められる。教育部次長の青戸厚志氏は、今後の改修時に洋式トイレの設置を検討するとの回答を示した。特に、災害時に必要な多目的トイレの設置が急務とされている。
また、幼児教育・保育の副食費無償化に関する議論では、年間約3,500万円の副食費が無償化対象から外され、市民間に格差が生じる可能性が示された。保護者への負担軽減を図るため、市独自の支援策についても検討する必要があるとされた。
最後に、防災備品の備蓄について、災害に備えた備蓄品目の整備計画を策定・見直しする方針が確認された。これにより、激甚災害への対応力向上が図られることが期待されている。
全体として、本定例会は、教育や育成に関連する施策の充実を目指す内容となっており、今後の議論に注目が集まる。