寄居町のデマンドタクシーサービスが高齢者や交通弱者にとって重要な解決策とされる中、本年度の議会で多くの質問が寄せられた。中でも、デマンドタクシーの町外医療機関への利用が求められている。
特に原口孝議員が指摘したのは、病院に行く際のコストと利便性の問題である。例えば、小川町の日本赤十字病院までタクシーを利用すると、片道に5,000円かかることもある。このため、公共交通サービスに対する期待が高まっているが、デマンドタクシーの運用には壁がある。運営側はデータ収集と分析を進めており、今後の運用方法にどう今一度見直しと改善を図るかが鍵となる。
さらに、デマンドタクシーは利用者自身が事前に予約を取る必要があり、その柔軟さが不足しているとする声も上がっている。帰りの便が取れない場面が多く見受けられ、高齢者の利便性が損なわれている状況である。そこで原口議員は、行きと帰りの便を同時に予約する方法や、循環型運行の導入を提案した。
町側は、デマンドタクシーの現行運用が最適なサービスとの立場を示しているが、流入するニーズとアンケートからの意見のギャップが見える。今後、どう改善を進め、具体的な計画を提示するのか、注目が集まる。
次に、デジタル教育に関する質問があった。久保鷹矢議員は高齢者向けのデジタル講習を提案し、特に生成AIやChatGPTなどを取り入れた講義を行うことを進言した。デジタルリテラシーの向上は今後の社会では必須であり、寄居町は多様なスキルを必要とする労働力を育成する必要がある。
町側は、地域でのデジタル教育の取り組みに意欲的な姿勢を示し、他自治体の先進的な事例を参考に、自分たちのニーズに合ったプランを策定していく方針である。ただし、成果の有無が重要視され、今後は一歩踏み出す行動が期待されている。
最後に、寄居ブランド創出についても話題に上がり、地域特産品の需要が高まる中、町が率先して支援を行い、実験的な取り組みを組み合わせていく必要性が訴えられている。特に、農業の未来を担うためには、「チャレンジ予算」など新たな予算枠を設けることが肝要である。
町民一人一人が寄与するブランド創出には、住民の理解と協力が不可欠であり、そのためには町の施策や情報発信能力強化が求められる。