令和3年3月11日に開催された寄居町議会第1回定例会では、様々なアジェンダが議論される中で特にワクチン接種の重要性が強調された。
この日は、東日本大震災から10年という節目の日でもあり、議長の峯岸克明氏は震災犠牲者に対する哀悼の意を表し、議会出席者に黙祷を求めた。
ワクチン接種に関する質問では、対象者数が約1万1,000人であることが報告された。町長は「接種目標は設定していない」としながらも、自治体としての努力義務を強調。接種は寄居町内の病院1施設及びサテライト施設10箇所で行われる予定だ。
さらに、近年のコロナ禍による地域経済への影響も議題に上がった。町長は、小規模事業者への支援が重要であるとし、国や県による補助金の活用を検討していると述べた。一方で、コロナウイルス感染症の影響により、町内の多くの飲食店およびその他の事業者が苦境に立たされている現実も報告され、約90%の申請が売上高の減少を訴えているという。
鉢形駅のバリアフリー化について、田母神節子議員から質問が寄せられた。町長は東武鉄道への要望の進捗状況について触れ、「具体的な回答は得ていないが、要望活動を続ける」と発言した。この駅のエレベーター設置は、町民から要望が高まっており、早急な対応が期待される。
また、寄居町の地場産業振興についても重要な議論がなされた。アグリン館の運営状況について、町長は「利用状況は良好だが、加工室の利用率は向上させる必要がある」とし、地場農産物の販路拡大に向けた取り組みが必要であると述べた。特に、季節ごとの生産物を活用したマーケティング戦略の強化が求められている。
議会では、生産者の確保や新規参入者の支援、そして有機農業の取り組みについても問題提起された。町としては、生産高の向上を図るため、包括的な支援策が必要であるとの認識が共有された。議員らが一丸となり、地域産業を支える仕組み作りが今後の課題として浮き彫りとなった。