令和元年6月定例会が松本武洋市長の出席の下で開催され、市政に対する一般質問が行われた。この日は、多数の議題が話し合われ、その中でも特に市内交通の利便性や防災対策に関する質問が多く寄せられた。
公明党の伊藤妙子議員は、通学路の安全対策について強く訴えた。
「滋賀県大津市の自動車事故を受け、通学路の安全見直しが急務です。具体的には、危険な箇所の情報共有体制がどのようになっているのか、教育委員会との連携がどれほど進んでいるのかご説明願いたい」と述べた。
この質問に対し、木村暢宏建設部長は、毎年通学路の現地確認を行い、危険箇所の改善に取り組んでいると説明。「学校、保護者、地域の方々と意見交換を行い、必要な補修や標示についても対応していく」と強調した。加えて、市内循環バスの利用状況の調査や今後の運行見直しについても言及し、多様なニーズに応える交通政策を進める必要性が確認された。
また、教育に関する質問もあり、戸部惠一教育長は、近年増加している不登校児童の現状について説明した。「平成30年度の和光市における不登校児童数は、小学校で25名、中学校で32名です。原因として家庭環境や友人関係の問題が多い」と述べ、その後の支援策についても言及した。さらに、道徳教育において命の大切さを学ぶ授業への取り組みもアピールした。
一方で、防災に関する質問も大いに議論を呼んだ。伊藤議員は、災害時における避難行動要支援者への支援体制について質問し、特に高齢者に対して安心できるシステムを整える重要性を強調した。大野孝治保健福祉部長は「高齢者等緊急時通報システムが現在進行中であり、要支援者への対応についても名簿を作成し、地域での連携を強化している」と答えた。
最後に、議長の吉田武司議員は、今後の会議についても予定を発表し、さらなる市民の声を反映していく姿勢を示した。次会は令和元年6月20日に予定され、その第一日目では、再び市政に対する一般質問が行われる予定である。
今回の定例会は、市民の安全や教育問題について真剣に議論され、有意義な時間となった。引き続き、これらの問題に対して市がどう取り組んでいくのか、注視していく必要がある。