令和2年第3回鶴ヶ島市議会定例会が9月17日に開かれ、多数の議案が審議された。この会議では、特に鶴ヶ島市の国民健康保険制度と介護保険制度に関する議案が目立ち、質疑と討論が活発に行われた。
議案第63号に関連して、石塚節子議員は「国民健康保険制度は住民の健康と福祉の要である」と強調し、その制度が役割を果たせていない現状を指摘した。疑問視する点として、特に滞納世帯数が1,469世帯に上り、その背景には高い保険税が影響しているとした。彼女は「納めたくても納められない人がいる現状は憂慮すべき事態」と述べた。参加した他の議員たちもこれに賛同し、保険制度の見直しを求める意見が相次いだ。
議案第65号では、介護保険制度に関して討論が交わされた。多くの議員が、今後の高齢化社会において必要な対策と、介護保険条例の見直しについて意見を述べた。保育事業の基準を改正する議案第57号については、保育サービスの質向上を図る意義が検討され、有意義な質疑が行われた。大野洋子議員は、保育の提供が必要な場合の対応について質疑を挙げ、徹底した議論が続いた。
一方で、議案に対して賛成の立場から発言した金泉婦貴子議員や山中基充議員は、保険制度の維持が重要であるとの見解を示し、「適切な収納対策を講じること」や「被保険者の健康保持に向けた取組を強化すべき」と提言した。
議案第70号では、アジア地域で初めての試みであるGIGAスクール構想に関する財産取得が話題となり、他市の価格との比較が行われた。この契約については、プロポーザル方式を採用したが、応札した業者が1社のみであったため、随意契約となった。これについて不安視する声もあがり、「価格の妥当性を改めて検証すべき」との意見も寄せられた。
全体として、この定例会では多くの議案が可決され、今後の鶴ヶ島市の市政運営に向けた一歩となることが期待されている。市長の挨拶では、災害対策および新型コロナウイルスに対する取り組みが強調され、議会に対する感謝の意も述べられた。