令和2年第1回鶴ヶ島市議会定例会が開かれ、重要な議案が審議される。其中でも注目を集めたのは、補正予算案である。
まず、齊藤芳久市長は、議案第33号として、令和元年度鶴ヶ島市一般会計補正予算(第8号)を提案した。この補正予算は、国からの補助金を活用した新型コロナウイルス感染症対応のための緊急支援事業を含む内容となっている。具体的には、小・中学校の情報通信環境整備、中学校トイレ改修、及び子ども・子育て関連の緊急対策事業が挙げられる。これにより、歳出が4億3,837万5,000円増加し、総額は230億4,232万2,000円に達する見込みである。
特に金泉婦貴子議員は、新型コロナウイルス対応として妊婦へのマスク配布を要望し、有隅健康福祉部参事は、ベトナムから寄付された1万枚のマスクを利用した配布計画を説明した。対象は妊婦や高齢者施設、学童保育室等となり、3月の25日から市の公共施設で配布予定とされている。
さらに、議案第34号の令和2年度鶴ヶ島市一般会計補正予算(第1号)も上程され、児童手当支給や感染症予防対策を含む経費が追加される。これにより、補正予算は277万1,000円増加し、総額218億3,277万1,000円となる見込みだ。
議会では、議員たちが提案された予算案について活発な質疑応答を行う。太田忠芳議員による情報通信ネットワーク環境整備事業に関する質疑や、山中基充議員からの新型コロナウイルス拡大に関連する休校中の支援についての質問が挙がる。有路総合政策部長は、今後の財政的手当てについて慎重に進めると答弁した。
また、大曽根英明議員が提案した政治倫理条例も重要なテーマとして取り上げられ、市議会の倫理基準の強化が必要であるとの意見が出される。長谷川清議員と金泉婦貴子議員が賛成討論を行い、議員それぞれが市民の信頼を得るための姿勢について強調した。
最終的な審議の後、各議案はすべて可決され、齊藤市長からは新型コロナウイルスへの感染防止策について市民への協力を呼びかける挨拶があった。今後の議会活動が市民生活に反映されることが期待される。