令和元年10月の消費税引き上げは、予見される経済への影響を考慮し難しい判断が求められる。
市の財政に及ぼす具体的な影響は歳入及び歳出の両面から見込まれており、歳出面においては、介護保険や幼児教育・保育に関する新たな施策の拡充が期待される反面、購入する物品に対する支出は増加し、これが市の経済に及ぼす影響は切実なものがある。
消費税引き上げによる財政効果として、今後の地方消費税交付金が増収される見込みが示されているが、これは直接的には令和2年度から現れるため、その資金繰りには注意を要する。
また、幼児教育・保育の無償化が実施される事により、その実施に伴う影響額も抑えられ、こうした施策から市の経済に寄与する部分が多くなると見込まれている。
フレイル予防においても、健康的な生活を維持する重要性が増し、地域において産官学連携などを通じた様々な取り組みが期待される。市民がフレイルチェックなどを通じて、自己の健康状態を理解し、適切な生活習慣を形成していくことがこの施策の基盤となる。
地域の協力を得てフレイルへの関心を高める一方で、直接的な関与を高め、社会参加を促すような取り組みも求められるだろう。地域での教育やボランティア活動の場を作り、幅広い層の市民が参加できる環境を整え、市としても長期的な戦略を持って取り組む必要があると思われる。
液体ミルクの導入についても、ウエブアンケートの調査結果を首都圏を中心にさまざまな実例を参考にし、無償提供を視野に入れた施策展開が地域の多様性を意識した形で進められることが望ましい。特に災害時には迅速な対応が肝要であり、流通も密接に関連することから、その導入に関する具体的な検討が行われることになるだろう。
鶴ヶ島市の財政、及び市民生活の基盤を支える施策が着実に進められることを期待したい。今後の施策においても、地域の特性や市民のニーズを的確に把握し、効果的な施策の実施に努めることが求められる。