令和元年9月11日に開催された坂戸市の市政一般質問では、高齢運転者の事故防止対策とプールの老朽化問題が主な焦点となった。
まず高齢運転者の事故防止について、鈴木友之議員は、埼玉県内の交通事故に関するデータを引き合いに出し、事故の増加傾向を懸念した。県警のデータによれば、昨年、県内で発生した交通事故の中で高齢運転者によるものは22.3%を占めていた。この状況は年々増加しており、特に高齢者との接触事故の危険性が高まっていると指摘されている。鈴木議員は、東京都が導入している高齢者安全運転支援装置の設置補助制度に倣い、安全運転支援装置の普及促進を求めた。関口万須美総務部長は、県内での導入状況や制度の必要性について調査研究を進めることを明言した。
プールの老朽化問題に関しても鈴木議員は、多くの小中学校が老朽化に伴いプールを廃止する流れにあることを指摘した。特に、築年数が40年以上である施設が多数存在しており、改築の財源確保が求められている。清水満夫教育部長は、教育の一環としてプールの重要性を強調した上で、公営プールの改築費用が約17億円と推定されていることを明らかにした。また、近隣自治体の取り組みとして北本市がスイミングスクールに水泳の授業を委託している事例を挙げ、民間施設の活用も視野に入れるとした。
続く子育てに関する質問では、野沢聖子議員が人口減少の状況を挙げ、地方で子育てすることの魅力向上が急務であると訴えた。政府が進める子育て支援策の一環として、給付制度の導入が期待されるが、本市の取り組み状況について問われた県職員は、今後も子育て環境の整備に努める姿勢を強調した。これに対し、地域での支援活動に取り組む民生委員との役割分担についても重要であると答えた。
最後に田中栄議員が、成人式の開催方法について質問した際には、来年度以降の成人式において対象者の年齢をどうするかについての課題が指摘された。多くの自治体が今後検討中であり、坂戸市でも新潟市が20歳での成人式開催を表明していることを受けて、その対応を検討していくとの答弁があった。予想以上の参加者数に備えるため、説明会での早めの案内や、周知活動を行うことが重要とされている。
これらの議論を通じて、坂戸市は地域の運営や高齢者支援の強化に向かう意志を示している。今後もこれらの施策の実現に向けた取り組みが期待される。