令和6年6月13日に開催された坂戸市議会では、議員たちの市政一般質問が行われた。特に、吉川厚季議員は地域公共交通、特に市民バスに関する問題を取り上げた。現在、市民バスの利用者からは運行本数が少ない、バス停までの距離が遠いとの不満が多く寄せられていると指摘した。市民にとって、バスは高齢者や障害者にとっての重要な移動手段であり、交通不便が問題視されている。バスの利便性向上が求められている中、髙山康彦市民部長は改良策を報告した。
髙山部長は、市民バスは平成8年から運行され、利用者のニーズに応えながら、運行ルートやダイヤの見直しを行ってきたが、まだサービス拡充が必要なことを認めた。特に停留所の新設やルート変更の成果については、市民から感謝の声が寄せられているものの、それでも運行本数やアクセスの改善が求められている。
また、デマンド交通の導入についても議論が交わされた。デマンド交通は利用者のニーズに応じた運行方法で、すでに埼玉県内では多くの自治体で導入されているという。髙山部長は他市の事例を参考にし、坂戸市でもデマンド交通の導入を検討しているが、課題も多いと説明した。同時に、市民のニーズの把握を定期的に行うことも重要であると強調した。
続いて、医療的ケア児への支援についても詳しく話し合われた。昨今、医療的ケア児の支援が法律で求められる中、坂戸市でも看護師を配置して体制を整えていることが報告された。しかし、看護職員の確保が一つの課題であることが指摘され、教育と医療の連携が必要であるとされた。さらに、医療的ケア児の支援を強化しなければならない点についても意見が交わされた。
また、ケアラー支援に関しては、埼玉県ケアラー支援条例の策定に基づき、市の支援策が紹介された。高齢者や障害者を介護するケアラーの負担軽減に向けた事業が進められる中、今後もさらなる支援が求められる。
さらに、地球温暖化対策についても環境産業部から報告が行われ、市が目指すゼロカーボンシティの計画について述べられた。公共施設の省エネなどの取り組み、また市民向けの再生可能エネルギー導入に向けた支援が紹介された。
議会では、さらなる支援強化や問題解決に向けた取り組みが今後も求められる。議員たちの市政一般質問は市の今後の方針を決定する重要な場であり、議会終了後の施策の実行が注目される。