令和3年6月8日、坂戸市の定例市議会において、市政一般質問が行われた。議員たちは、耕作放棄地や遊休農地の問題、公共施設としての公民館の役割、さらには生態系への影響を及ぼすクビアカツヤカミキリへの対策について質疑を展開した。
まず、耕作放棄地と遊休農地の活用促進に関して、石井寛議員は、農業従事者の高齢化と後継者不足による農業人口の減少の深刻さを指摘し、問題解決に向けた施策について質問した。大澤淳一農業委員会事務局長は、全国的な農業の課題である耕作放棄地の増加に言及し、平成28年以降の農業委員会制度の変更や農地利用最適化の推進を説明した。さらに、本市における農業振興策として、坂戸市農業振興ビジョンの策定や農地利用の集約化について具体的に報告した。
次に、石井議員は公民館と地域交流センターの活用について質問し、地域社会への寄与を強調した。宮崎勝教育部長は、公民館の役割の変化や新型コロナウイルスの影響による地域住民の交流不足について認識を示し、今後の新たな役割の検討が必要であるとの考えを述べた。
加えて、この日最も注目されたのはクビアカツヤカミキリ対策だ。鈴木友之議員は、県内での被害が増加していることを指摘し、市内での監視体制を強化する必要について質問した。澁谷務環境産業部長は、具体的な被害状況と連携体制の構築について報告し、早期発見と対応の重要性を強調した。今後は、市民がクビアカツヤカミキリを発見するための周知活動も行っていく方針である。
このように、市政一般質問では多様なテーマが取り上げられ、議員たちが市の施策に対する問題意識を高める有意義な場となった。今後、これらの施策が市民生活にどれほど影響を与えるか、引き続き注意深く見守っていく必要がある。