令和4年4月29日、さいたま市議会において、市役所移転を巡る議案が審議され、最終的に可決された。これにより、現庁舎からさいたま新都心へ移転することが決定された。
市長提出議案第74号は、さいたま市役所の位置に関する条例の一部改正に関するもので、今回の移転が合併協定書に基づいていることが強調された。総合政策委員会の井原隆議員の報告によれば、移転に関する説明は十分に行われておらず、地元住民の理解を得られていないとの認識が挙げられた。
反対意見では、現庁舎の耐震補強工事が既に行われており、移転の必要性に疑問が呈され、移転後の跡地利用の具体化についても言及された。特に、鳥海敏行議員は、移転計画において市民とのコミュニケーションが不足していると述べ、このまま進めることには賛同できないと強調した。
賛成意見を持つ議員からは、市役所移転がさいたま市の成長に繋がるものであり、歴史的な意義も強調された。小柳嘉文議員は、合併以来、地元の歴史と希望を踏まえた成長を願い、新庁舎の意義を語った。
質疑の中で、吉田一郎議員は、附帯決議の賛成や反対の具体的な数を問う質問を行い、賛成3、反対3、退席5の結果を示されて納得がいかない様子を見せた。
議案の採決は記名投票によって行われ、結果賛成48票、反対9票で可決された。これにより、さいたま市役所の新庁舎はさいたま新都心へと移転される運びとなる。市長は議会の承認に感謝の意を示し、今後は市民と共に新庁舎および現庁舎の利活用策を進めていくと述べた。
移転に関する市民説明も、今後の重要な課題となる見通しである。議会内ではまだ感情的な対立が見受けられ、今後の進展に注目が集まっている。