令和元年5月8日、さいたま市議会において臨時会が開かれ、様々な議案が審議された。
議案の中には、ふるさと納税制度に関する議案が含まれており、特に議案第77号では返礼品の取り扱いが焦点となった。この議案に対し、高子景議員は「ふるさと納税制度には選択的な寄附の重要性がある」としながらも、過度な還元率による税収の非効率化を指摘した。
続けて、財政局長の櫻井理寛氏は「本市の返礼品の割合は25.1%であり、適正であった」と述べ、北海道夕張市の事例を挙げて過度な返礼品が地方公共団体に及ぼす影響について警告した。また、今後の制度改正に伴い、地域の魅力を最大限に活かし、寄附を増やす取り組みを進める意向を示した。
一方で、鳥海敏行議員はふるさと納税の制度自体を批判し、「制度から税金が流出する構造は今後も続く」と述べ、特に地方自治体の財政における影響を懸念した。彼の発言に対し、議場では賛同が相次ぎ、市民負担の軽減を求める声が上がった。
そして、吉田一郎議員は「ふるさと納税の見直しは必須であり、市民税の流出を防ぐための根本的な対策を国に要望するべきだ」と強調した。彼は、全国的な観点から見た際、制度そのものがもたらす問題を多方面から指摘した。
最終的に、議案第77号は賛成多数で可決され、ふるさと納税の返礼品に関する基準が設定されることとなった。市長の清水勇人氏は、今後も市の発展と市民福祉向上に尽力すると述べ、議会の理解と協力を求めた。議長の渋谷佳孝氏は、全ての議案が承認されたことに感謝を示し、臨時会を閉会した。