令和2年9月30日に開催されたさいたま市の定例会では、
さまざまな議題が討議された。特に注目されたのは、インフルエンザの予防接種に関する議案である。
議案第177号「令和2年度さいたま市一般会計補正予算(第15号)」では、65歳以上と特定の障害を持つ60歳から65歳未満の市民に対し、
インフルエンザ予防接種の個人負担金を無償化する内容が含まれている。清水勇人市長はこの施策の必要性を強調し、
「医療現場の負担を軽減する目的がある」と述べた。
高橋篤副市長が提案したこの予算の総額は、左右それぞれ8億374万6,000円を追加するもので、
歳入歳出予算の総額は7,415億5,113万4,000円となる予定である。議案の背景には、新型コロナウイルスの影響により、
高齢者や基礎疾患のある方々が重症化しやすい状況がある。
市民局長の木島泰浩氏は、質疑応答の中で「無償化は今年のみの措置か?」という質問に対し、来年度以降の実施についての考えは
「現在のところ考えていない」と明言した。このため、議案に対する質疑が活発に行われ、議員からの質問には医療の現状を踏まえた答えが求められた。
吉田一郎議員は、無償化の理由や対象者の詳細について多数の質問を行ったが、
保健福祉局長の木村政夫氏は「重症化のリスクが高い方々を保護するため」と回答した。だが、「人数が把握できていないのに、なぜ明確な予算があるのか」との質問には、
「過去5年間の接種実績を基にした予算の算定」を行ったと説明した。
委員会での審査結果も報告され、議案第177号は全員異議なく可決される運びとなった。
議事の中では、議員の一部変更や委員選任に関する事項も承認されるなど、
議会運営に関する重要な決定もなされた。次回は10月15日午前10時からの会議が予定されている。