令和4年9月の定例会の中で、討論が行われた請願第14号は、「寅子ちゃんの悲劇を繰り返さぬよう、こころの電話の一層の充実を図ってください」という内容であった。多くの議員がこの請願の必要性を訴えたが、最終的には不採択となった。
吉田一郎議員は、この請願の紹介議員として、その背景にある悲劇の物語を引用し、いかに青少年の心の悩みを支えることが重要かを強調した。具体的に、さいたま市が設けている「こころの電話」の運営時間が限られているため、より利用しやすい時間帯の延長を求めた。 「もし、夜間の相談が可能ならば、悩みを抱える若者たちがアクセスしやすくなる」と述べた。
一方で、傳田ひろみ議員はこの請願について賛成する立場で、こころの電話を充実させる必要性を訴えた。彼女は「若者支援においては複数の選択肢があり、SNSを含む新たな手法を考慮すべきである」とも主張した。
否決の原因の一つには、現行の相談窓口の充実度が指摘され、細沼寛保健福祉局長も「すでに子ども家庭総合センターあいぱれっとで、若者相談窓口を確保しており、ニーズに即した形での支援を行っている」と説明した。こうした議論を経て、請願第14号は最終的に不採択となったが、議員たちの間で寄せられた意見は、今後の支援体制の見直しに寄与することが期待されている。
また、議案の中では市長提出の議案が上程され、補正予算に関する質疑も行なわれた。議案第115号に関する質疑では、区役所管理事業の光熱水費補正についての説明が行われた。この影響を受ける地域が限定されている点を議員たちは注視し、透明性を求めた。福祉局長も「特定区についての必要性を十分に考慮した回答を行う」として理解を求めた。
全体を通して、議員たちの意見は熟考され、特に福祉分野におけるサポート体制の充実が、特に青少年の相談窓口に関して求められたことが明らかとなった。次の定例会に向け、こうした議論が具体的な行動につながることが期待される。