令和5年10月19日、さいたま市議会は定例会を開催した。議題には市長提出の44件の議案及び請願が上程され、審査が行われた。特に、災害派遣手当等の規定改正や、見沼グリーンセンターの改修工事に関する議案が、広範な質疑を通じて慎重に審議された。
議案第150号では、災害派遣手当等の支給基準が改定され、特定新型インフルエンザ等に対する手当の詳細が議論された。清水勇人市長は、「国や他の地方自治体の動向を踏まえて基準の見直しが必要」と述べた。一方で、議案第161号においては、見沼グリーンセンターの改修にかかわる契約変更が審議され、必要な予算措置が確認されるなど、多くの市民に関わる内容となった。
また、請願第26号の取下げが審議に影響を及ぼすこととなり、市民生活に密接に寄与する内容であったため、今回の決定には多くの議員がコメントを寄せた。市民局長の中村幸司氏は、「市の方針に沿った取り決めである」と述べ、手続きの正当性を強調した。
議題の中で特筆すべきは、市長提出の追加議案についての説明であった。高橋篤副市長がこれを行い、「令和5年度一般会計補正予算には新たな省エネルギー施策が含まれる」と説明。市内の中小企業に対する省エネルギー設備の補助が追加され、補正額は約29億円に及ぶという。市は省エネ施策を通じて、企業支援を深化させていく方針を示している。
質疑応答においては、議員から請願の意義や市における省エネ機器購入に対する公平性、地域における影響等に関する質問が続出。特に、「市民向けの補助が必要ではないか」との意見が強く影響を及ぼした。吉田一郎議員は「市民に対する省エネ支援のニーズ調査が行われているか」と質疑し、聴取の必要性を訴えた。
このように、議案は一連の質疑応答を経て審議されたが、議会内の合意形成が一層求められることとなった。最後に江原大輔議長は「市政を推進するためには、市民の期待に応える姿勢が不可欠」と強調した。