令和元年12月のさいたま市議会では、各議員が市政に対する一般質問を行い、市の重点政策や課題が浮き彫りになった。
特に注目されたのは、保育環境の整備に関する議論で、井原隆議員が、保育士不足の解消策として月額補助の増額を提案。そして、他市と比較して低い現在の制度を見直すよう市に強く求めた。具体的には、東京基準に及ばずとも、月額補助を少なくとも3万円程度まで引き上げることを訴え、これに対し整備局長も"財政的な課題はありますが、検討していく"と前向きな姿勢を示した。
さらに、病児保育に関しても新たな提案が出された。井原議員は、認可保育園に通う子供のみが利用できる現行制度に対し、認可外保育園の子供たちにも平等に病児保育のサービスを提供する必要性を強調し、市長は"今後のニーズに応じた体制整備を進める"と応じた。
水道事業に関する質問では、神崎功議員が水道技術職員の人材不足問題を取り上げ、"水道の基盤整備を進める必要がある"と指摘。本市では、次期水道事業長期計画の策定が進められており、持続可能な水道事業を目指し、今後の対応が期待される。
また、見沼田圃の世界かんがい施設遺産登録を受けて、地域資源を広くアピールするための取り組みについても議論がなされた。
さいたまクリテリウムに関しては、多額の市税投入に対して市民の満足度や認知度を調査した結果が報告され、さらなる改革が求められる一方で、地域経済への波及効果が期待されていることも触れられた。
このように令和元年12月議会は、さまざまな課題に対する具体案が出されつつ、市の運営に対する透明性や双方向のコミュニケーションの重要性が再確認された。今後の市政を進める上で、市民の理解を得るための努力が不可欠であることを示している。