令和4年9月7日の久喜市議会定例会では、重要な市政に関する質問が多岐にわたって行われた。特に高齢者の移動手段の確保や新型コロナウイルス感染症への対応が主なテーマであった。
まず、高齢者の移動手段については、免許返納者の増加により、公共交通強化が必須であるとの声が上がった。渡辺昌代議員は「特に栗橋地区において、デマンドタクシー利用者が増えており、地元の交通環境が脆弱である」と指摘した。これに対し市側は、運行方法や支援策を再検討するとし、具体的なプランを今年度中に策定する意向を示した。
次に、新型コロナウイルス感染症への市の対応も喫緊の課題として挙げられた。感染者数が高止まりしている中、議員は「医療機関の状況が逼迫している」との懸念を示し、早急な改善策を求めた。福祉部長は新たなワクチン接種体制の構築やPCR検査場の設置についての考えを述べ、医療機関と連携して対応を進める姿勢を示した。
また、八甫地区の冠水問題についても多くの意見が出た。この地域では降雨時に水はけが悪く、道路冠水が常態化している。建設部長は、「排水経路の改善を検討し、早急に補修に取り組む」と答弁したが、地元議員からは「具体的な対策が必要だ」との厳しい声が上がった。
さらに、特定健康診査の実施についても議論があり、栗橋地区の医療施設の減少に対し、協議会との連携を強化する考えも示された。特に、移動に困難を抱える高齢者への配慮が求められている中、包括的な施策が必要とされている。
一方、民生委員・児童委員の活動についても議論され、業務の負担軽減や支援体制の強化が求められた。市側は今後、活動内容の明確化とともに、民生委員の役割を周知するための取り組みを進める考えを示した。
マイクロチップの普及とその登録状況についても質問されたが、装着や登録の義務化に関する周知活動が不足しているとの問題提起がされ、今後の啓発活動の強化が求められることとなった。
総じて、今回の定例会では、市政に関する多角的な質問が行われ、今後の施策の起点となる重要な情報が相互に共有された。特に高齢者支援や感染症対策、公共交通環境の整備を促進する必要性が再確認され、市は直面する各課題に着実に取り組む姿勢を示した。