久喜市議会は令和6年2月定例会を開催し、数々の予算案や議案について慎重な審議を行った。
本会議では、特に一般会計予算に関する議題が焦点となった。この予算は609億6,800万円で、前年度比15.5%の増加を見せている。市長の梅田修一氏は、「数年来の大きな財政問題を克服し、地域の成長のための第一歩」と強調した。特に、公共施設の老朽化対応や、地域の安全対策を優先する重要性が議員からも指摘された。加えて、議案に対する反対意見も多数出され、現行の予算案への信頼性が問われる場面も多かった。
次に国民健康保険特別会計予算についても議論が交わされた。本予算の歳入歳出はそれぞれ163億円で、前年度からの8.16%の増となるが、高齢化が進む中での市民負担の増加が懸念された。加須市の同予算と比較した場合、久喜市の保険料は高く、これが市民生活に重くのしかかっているとの意見が多かった。
介護保険特別会計予算の引き上げも強い反対意見が寄せられた。筆者が国保税の議論に参加した際、議員たちが経済的に困窮する市民を代表して述べた。この背景には、全体的な物価高や高齢者の医療費の増加が影響しており、特に低所得層の方々にとって大きな負担となっている。
さらには、公共施設個別施設計画についても大きな議論を生んだ。行政は全ての公共施設の削減を進める政策を打ち出しているものの、利用率が高い集会所や保育施設は反発の声が大きく、住民のニーズを十分に反映できていないとの指摘が相次いだ。特に、東町集会所の除却を決定する際の住民への配慮が不足していたとの意見が強調されたことを憶えている。
市長提出の追加議案についても審査が行われ、市民や議員の理解が得にくいものもあったが、多数の賛成をもって原案が可決された。市の厳しい財政の中でこのように分散された議案がどのように実行されていくのか、多くの市民が注目している。
さて、全体を通して、久喜市の財政運営は今後の動向が注がれるが、施設の維持管理や市民サービスの低下が懸念される中で、どう具現化していくかが鍵となる。議会での質疑や討論を通じて、市民の声をどこまで吸い上げるかが、今後の施策に影響を与えるであろう。市民のための行政が遂行されることを期待したい。