令和6年6月17日、久喜市議会は定例会を開催し、議員たちが市政に関する質問を行う場となった。
議題の中で、特に重要なテーマとして認知症対策が取り上げられた。市民から寄せられた声を受け、福岡市の認知症フレンドリーシティ宣言のような施策の導入を求める意見が出る中、福祉部長の戸ヶ崎利夫氏は、ユマニチュードと呼ばれる認知症ケアの技法を地域での講座などで周知していく姿勢を示した。
また、自らの意思で日常生活を営むための「希望をかなえるヘルプカード」の普及も重視され、市としても今後の取り組みを考慮していく意向を示した。特に、地域での孤独・孤立問題に対応する施策が求められ、担当課の設置や、啓発活動の強化が課題として挙げられた。
続いて学校図書館についての議論もなされた。教育部長の野原隆氏は、図書購入費の予算増加や新聞配架の状況を説明し、多様な読書活動を促進するため、図書館の充実を図る考えを示した。
一方で、タブレットの取り扱いに関する注意喚起も重要視され、学校での利用規則の周知や保護者との合意形成が必要であるとの意見が上がった。特に、自らの責任を理解させるために、児童生徒との誓約書の取り交わしについても議論された。
さらに、公共施設におけるユニバーサルシートの設置についても言及された。久喜市は、全ての人にとって使いやすい設計を推進しているが、特に新しい施設の整備において、その重要性が認識されている。これにより、障害を持つ方々が利用しやすい環境を整備し、社会参加を促進する狙いがある。
最後に、孤独・孤立における現状とその解決策についても議論された。孤立による問題の深刻化が指摘され、高齢者や単身世帯の増加により、地域での支え合いや相談窓口の充実が必要であるとの共通認識が得られた。市としても今後、積極的に議論を進めていく意向を示している。
このように、本会議では様々なテーマが取り上げられ、久喜市の課題への対策が話し合われた。市民の声を反映し、より良い施策が実施されることが期待されている。