久喜市議会の令和3年2月定例会が開催され、様々な市政に関する質問がなされた。この日の会議では、特に子ども食堂の支援、医療的ケア児、文化財の保護と活用、そして市職員の質の向上に関する取り組みが主な焦点となった。
まずは「文化財の保存と活用」について。新井兼議員が触れたように、久喜市には多くの文化財が存在するが、未指定文化財の保護が今後の課題であると認識されている。教育部長の野原氏は、「文化財保護法第2条で定義された文化財を含め、地域の無住の寺社を含む文化財は適切な管理体制が必要」と指摘し、所有者に対して防犯意識の啓蒙や助言が必要であると述べた。また、専門知識を有する人材の不足が問題視されている現状も明らかになった。
次に、医療的ケア児に焦点が当てられ、福祉部長戸ヶ崎氏が「医療的ケア児支援に関する情報提供が不足している」とし、地域のニーズに応じた支援策の充実が求められているとの意見が出された。特に、医療的ケアのための看護師配置の必要性が強調され、今後進むべき施策としてモデル事業の活用法も考慮されている。
続いて、都市計画に関連する話題も挙がり、丹野郁夫議員が「都市計画道路幸手・久喜・加須線の早期整備を求める」意見を述べ、これが地域の交通安全向上に寄与するとの認識で一致した。特に、県との連携を強化し、未整備区間の早期着手を期待する声が高まった。また、議会内の論点は、市民福祉を第一に考えた施策であるべきとの申し入れもなされ、議員間で積極的な議論が交わされた。
市職員のモチベーション向上についても議論され、昨今の数値指標としてのラスパイレス指数が低いことが問題視された。市長は「市民の期待に応えるために職員の質を高めていく必要がある」と述べつつ、職員の働きかけの重要性と士気を高めるための努力を続ける考えを示した。特に、職員が次世代に対する育成にも寄与できるという意義が強調され、自信を持って仕事を進めるべきとの見解が示された。
全体として、久喜市の将来に向け、市民との対話を通じた施策のより良い実現に向けた取り組みが求められていることが会議で確認された。今後も市民の意見に耳を傾け、子どもたちや高齢者、医療的ケア児に至るまで、幅広い視点での施策が期待されている。