久喜市議会で行われた市政に関する議論では、AEDの適正配置と買い物弱者対策が中心に扱われた。
まず、AED(自動体外式除細動器)の設置状況について、園部茂雄氏が強く問題提起した。氏は、公共施設への設置基準が心肺停止の発見から5分以内であることを踏まえ、現状の設置が偏在している状況を指摘した。具体的には、公共施設に最低1台は設置されているものの、空白地域の存在に対し、民間施設の活用と適正配置が急務であると述べた。市はこの点について今後の取り組みを検討する必要がある。
特に氏は、公共施設に設置されているAEDの過去5年間の使用実績を問うと共に、現状の偏在と空白地域の解消に向けた検討を求めた。また、地域のランドマークであるコンビニエンスストア等への戦略的な設置について、市の考えを伺った。
さらに、夜間に無人となる公共施設を屋外設置に改めることや、民間AEDの使用時に発生する消耗品の費用を市が負担する制度の創設も提案された。これにより民間との協定を結び、市内のAEDマップを充実させる必要性についても触れた。
続いて、買い物弱者対策についての議論が行われた。高齢社会の進展に伴い、店舗の閉店や運転免許証の返納により、買い物弱者が増加している現状が浮き彫りとなった。氏は、この問題が農山漁村に限らず地域全体に広がっていると指摘し、久喜市として早急に対策を検討すべきと強調した。
具体的には、久喜市内における買い物弱者の実態を市が認識することや、高齢化社会に向けた生活支援策としての移動販売に対する市の考えを尋ねた。また、民間事業者と六道販売の協定を結ぶことや、大型ショッピングセンターとの連携による買い物バスツアーの実証実験等の具合的な取り組みも求めた。これらの議論を通じて、市は市民の生活支援に向けた方策を進めていく必要があると言える。