久喜市において行われた市政に関する会議では、デジタル関連法改正の影響が主な議題として取り上げられた。市民生活に関わる個人情報保護政策に対する懸念が示されている。
杉野 修氏は、5月12日に参議院を通過したデジタル関連法について言及した。法律の主な特徴として、個人情報保護法制の一元化が挙げられ、「誰もがデジタル化の恩恵を受けることのできる社会」を目指す方針に対する疑問も呈された。特に、地方自治体が独自に築いてきた制度が損なわれる可能性があると懸念されており、施行後の市の情報システムの在り方が重要な課題となっている。
杉野氏は、国の方針によって自治体の独自条例が「リセット」され、全国共通のルールに移行するとした場合、市の条例が緩和されることに対してどう対応するかを市に問うた。杉野氏は「規制緩和にならぬよう手立てが求められる」と強調した。さらに、個人情報を本人から直接収集することを原則とする現行条例についても、法改正がもたらす影響に触れ、本人同意なしに情報が提供されることへの不安を示した。
次に、公共施設個別施設計画についても疑問が投げかけられた。杉野氏は、将来的な人口減少や財政難に直面する中で、行政が市民に「負担増」となるリストラ案を押し付けるべきではないと述べた。具体的には市役所本庁舎の建て替え計画に対し、新しい利用方針を模索するよう求めた。
最後に、市の新年度の方針としてパートナーシップ制度の導入が明らかにされた。性的マイノリティや多様性を尊重するこの制度が、どのように市民から支持され、理解されるのかが重要だとし、具体的な運用方針についても質疑が交わされた。市は、制度の目的や当事者との関係の位置づけを明確化し、透明性のある運用を図る必要がある。
本議論では、個人情報保護と市民生活に直結した内容が浮き彫りになり、特にデジタル法改正に対する懸念が強調された。市は今後、様々なステークホルダーと情報共有を進め、約束された方針を実現することが求められる。