久喜市は、令和元年６月定例会において、経済や社会問題に関する多岐にわたる議論が交わされた。パートーナーとしての住民からの意見を受け付け、特にブロックごとの定住支援や外国人に対する生活支援の強化が必要であるとの声が多く寄せられた。特に、済生会栗橋病院の加須市への移転に伴う地域医療の確保が重要な課題として浮上した。
済生会栗橋病院は、加須市で新病院を開設する方針を示している。それにより、本市における医療環境の変化が懸念される。具体的には、病院の役割が変わることで、高齢化の進展する地域において医療アクセスが難しくなるという懸念が存在する。市は、この問題を解決するため、医師や医療機関との協力を深め、今後の医療事業について検討する意向を示した。市長は、「地域医療を継続的に支える努力を怠ってはいけない」と述べている。
また、外国籍住民の増加に伴い、生活支援の必要性が高まっている。在留資格を持つ外国人が市に住む場合、居住地登録と市民としての権利が与えられるが、教育や雇用、医療などの面での情報提供や支援を充実させる必要がある。市では外国人の日本語教室や生活ガイドの整備を進め、多文化共生社会の実現に向けて活動を行っている。ただし、マイナンバーカードなどの入手による個人情報の管理については、配慮が求められる。今後、関係機関と連携し、外国人対応に努めていく姿勢が示された。
さらに久喜マラソンについては、参加人数の多くが県外から訪れることが確認された。市としては、今年度の合併10周年を記念に新たな部門として10キロレースの設置の議論を進めており、障害を持つ市民にも配慮したコース設計が求められる。また、給水所の配置改善や参加者への周知が重要であるとの声も寄せられた。市は、業者との協議を経て、地域の魅力を発信するイベントを検討する意向を示し、市民とともに盛り上がるマラソン大会を目指すと言及した。
ごみ屋敷問題に関しては、高齢化や生活困窮に伴い、より一層の対策が必要とされている。市の施策では、地域住民との連携による調査や支援が重要視されており、生活支援を行った結果、地域全体の安定が図られるとの期待が逐次示されている。市は条例化を視野に入れつつ、多様な関係者との協議の場を整備し、支援策の確立に向けた取り組みを続けて行くべきとの姿勢が確認された。