令和4年10月27日、加須市議会は臨時会を開き、具体的な補正予算に関する議案を審議した。今回の補正予算は、物価高騰対策として組まれており、特に子育て世帯への支援が大きな焦点となった。
市長の角田守良氏は、物価高騰に対して「市民の福祉向上と地域経済の活性化を図るための重要な予算案である」と述べた。補正予算には、未就学児に対して配布される「ちょこっとおたすけ絆サポート券」の支援が含まれ、1人につき1万円が支給される。補助金の創設は、新型コロナウイルス感染症対応ライフラインとして位置づけられ、物価の高騰が市民生活に与える影響を軽減する目的がある。
また、学校給食費が令和4年11月から令和5年3月までの期間中、無料化される。この取り組みは、先日発表された資料を基に、法的根拠に基づき決定されたものである。特に公立小・中学校に通う子どもを持つ家庭にとって、5か月間の給食費免除は大きな支援となる。
議会では、森本寿子議員や原田悟議員が議案に関する詳細な質問を行い、この補正予算が必要である理由を詳しく説明した。森本氏は未就学児支援に対し、その実施時期が短い点を指摘し「期限を延ばすことができないか」と提案した。これに対し、野本朋子こども局長は「財源上の理由から厳しい」と応じた。
さらに、この議題に関連し、農業経営者への支援も取り上げられた。価格高騰に苦しむ農業者支援が急務となっている現状で、農業生産資材の補償が議論された。特に米の生産にかかる肥料価格が急単価上昇しており、農業者からは切実な支援要望が寄せられている。市長の回答では、農業支援に関しても今後も継続して力を注ぐとの意向が示されたものの、規模の小さな農家への直接的な支援には限界があるとも述べられた。
最後に、市の基幹産業である農業の継続的な支援の必要性と、恒常的な財源確保が今後の課題となることが強調された。加須市の持続可能な発展を見据えた政策として、農業支援の今後に期待がかかる。