令和5年6月23日、加須市で開催された第1回定例市議会の一般質問では、様々な課題が議論された。
最初に、新井好一議員が加須市の人口動向を取り上げ、少子高齢化が進む中、人口が287人増加したことについて説明を求めた。現在の加須市の人口は112,230人であるが、合併からの人口減少が続いていることも指摘された。石川雄一総務部長は詳細な数値を示し、社会増減の要因として子育て世代の定住が功を奏していると述べた。特に平成28年度以降、転入者が転出者を上回ったケースが増えているとのことで、新井議員は今後のまちづくりにおける子育て支援の重要性を強調した。
さらに、新井議員は、ふるさと納税の取り組みについても言及した。石井幸子総合政策部長は、同市の返礼品の数が324品目に増え、寄付額が1億円を超えたことを報告した。特に、SNSで話題となった冷凍餃子が大きな寄付額をもたらしたとの分析もあった。
また、利根川新橋について、地域間の交通の便を確保する重要性が議論され、角田守良市長は、渋滞緩和や防災面にも寄与する重要なインフラであると強調した。市長は、周辺自治体や関係機関と共に新橋架設の要望活動を続ける意向を示した。
一方、山下雄希議員からは、公共施設におけるWi-Fi整備の必要性が訴えられ、デジタルトランスフォーメーション推進計画に基づく予算化が求められた。石川総務部長は、現在の整備状況を伝え、さらなる普及を図る意向を示した。
幼稚園再編計画については、中條恵子議員が多くの市民から反対意見が寄せられていることを指摘し、市民の理解を得る必要があるとの認識を示した。わずかな出席者数とその内容に、市は今後の方針を見直す可能性を明示した。
最後に、「うどんのまち加須」をテーマにした観光振興についても議論があり、地元の魅力をアピールする施策の強化を求める声が上がった。地域の特性を生かした観光資源としてのうどんが集客につながるよう、関係者の協力が必要不可欠であると確認された。
議論を通じて、加須市は多様な面から地域活性化の道を模索していることが浮き彫りとなった。これらの取り組みが、市民生活の向上や、さらなる地域発展につながることが期待される。