加須市の令和5年第3回定例会では、様々な重要な議題が議論された。
その中で、市民の安全と生活を支える重要なテーマとして、新型コロナウイルス感染症の対応とアライグマの被害について特に注目が集まった。
コロナウイルスは5月に5類に移行して以降、病院での診療体制が再構築されている。松永勝也健康医療部長は「新型コロナウイルスの感染者数は徐々に増加傾向にあり、基礎疾患を持つ方や高齢者への感染防止が重要」と強調した。また、これまでの経緯を踏まえ、ワクチン接種の重要性も訴えられている。接種率は59.3%と、有効な予防手段としての役割が期待されているため、今後も市民への情報提供と周知に努める必要がある。
続いて、アライグマの問題も深刻化している。増田浩之環境安全部長は、「令和4年度のアライグマによる農作物被害は今回も多数の報告があり、農作物や家庭での被害は無視できない状況」と説明。加須市では、危険な場所については市が委託する業者が捕獲を行っており、アライグマ捕獲従事者養成研修会の実施も継続されている。今後、アライグマ対策として地域の力量を高めるための情報提供と教育の強化が求められる。
また、地域公共交通の利用促進についても市民からの要望が多く寄せられている。中野芳子議員は、特に市役所を循環バスのルートに組み込むことを求め、地域のニーズを反映させた運行体系の見直しが必要だと訴えた。石井幸子総合政策部長は、「市民の利用状況を踏まえて再検討し、利便性向上を図ります」と答えた。さらにデマンド交通サービスの利用促進も取り上げられ、より多くの市民がアクセスできるシステムの整備が必要とされている。
今日の議論の中で、高齢化社会が進む中で市民との対話を大切にし、地域の課題を解決していく意義が強調され、次会に向けた重要な基盤が築かれたと言える。