令和5年12月5日、伊奈町議会では農業や食に関する重要な議論が行われた。議員らは、農業の維持と発展、それに伴う町の役割を中心に質問を展開した。特に新たな取り組みとして、特別栽培米の推進や、ブランド梨「黄金の雫」の生産についても注目が集まり、有意義な情報が共有された。
特別栽培米伊奈町産米応援プロジェクトについては、現在4名の生産者が参加しており、企業3社による協賛も得ている。このプロジェクトは持続可能な農業を目指しており、高価格での販売が期待される一方で、農業の手間がかかるという課題も抱えている。
黄金の雫の作付け状況は、ここ数年横ばいで、現在7件の生産者が関与している。出荷量は今年度、約1万玉で、前年と比べ25%増加している。しかし、農家の高齢化が進む中、後継者不足が懸念されている。
新規就農者への支援体制も整えられており、町は農業に興味を持つ人々に向けたサポートを進めている。具体的には、新規就農者向けの奨励金や、農業体験の場を設けるなどの支援が挙げられる。このような支援を通じて、農業への関心を高め、就農を促進することが期待されている。
また、援農ボランティア制度が新たに創設されており、生産者とボランティアのマッチングによる支援が進められつつある。この制度は特に、農業の未来を担う若い世代が農業に参加する新しい形を生み出す良い機会となるだろう。
一方、町の農業戦略マスタープランによれば、町全体の農業振興が図られていく中で、地元の農業者と町民のつながりを強化することが重要である。農業の魅力を発信し、町民が農業にアクセスしやすい環境を整えることで、地域への愛着や理解が深まる。