令和6年3月8日に開催された伊奈町議会の定例会では、町の様々な施策について詳細に議論がなされた。
最初に挙げられたのは、令和6年度の高齢者福祉関連施策についてである。藤原義春議員は、鳩山町や白岡市でのデマンドタクシーの成功例を挙げ、伊奈町でも高齢者向けの福祉タクシー創設を提案した。これについて、くらし産業統括監の久木正氏は「現在のいなまる事業は利用者数の増加を見込んでいるが、高齢者の真のニーズに応えるため、交通手段の確保について研究する必要がある」と述べた。そして、高齢者による運転免許返納後の交通手段が課題視されていることにも言及された。
次に、最近の能登半島地震を踏まえての防災対策も重要な話題となった。山野智彦議員は、万が一の大地震に備える地域防災計画を策定するべきだと主張し、統括監は「地域防災計画は策定しているが、さらなる調査研究と更新が必要と認識している」と応じた。このことは、町民の安全を守るために重要である。
また、教育政策における取り組みも討議された。藤原義春議員は「国際人として通用する日本の若者の育成」というテーマで教育次長に質問した。これに対し、教育次長の瀬尾奈津子氏は「自立心やコミュニケーション能力を育むため、共同的な学びの推進を進めていく」との見解を示した。さらに、育成の基盤として中学校での教科書の選定も取り上げられ、県の教育委員会の指針に基づいて適切な教育環境を整備することの重要性が強調された。
最後に、庁舎や公共施設の内外装に関する議論もあった。大沢淳議員は、校庭の遊具の整備や老朽化した水道、トイレの状況について意見を述べた。彼は、特に利用者である子供たちの安全を第一に考えるべきだと強調し、改善計画に早急に着手すべきとの考えを示した。教育次長はこれに賛同し、必要な対策を進める意向を表明した。
このように、伊奈町議会は多岐にわたる議題について真剣に話し合いを重ね、今後も町民の安全や福祉、教育環境の整備に貢献していこうとしている。