令和6年3月の定例会は伊奈町議会において開催され、施政並びに予算編成方針についての質疑が主な議題として議論された。
特に、五味雅美議員からは、国民の生活状況に対する厳しい指摘がなされ、大島清町長に対して具体的な施策の考え方を問うた。
議員は、経済成長の停滞に伴い、実質賃金が21か月連続で低下していることを報告し、「暮らしを中心とした実体経済の回復が必須」と強調した。
さらに、2023年度の名目GDPの減少や大企業、富裕層との格差問題に触れ、町としての役割が重要であるとの見解を示した。特に、国民健康保険税や介護保険料の引き上げについて、住民の負担軽減策について具体的な施策の要望があった。これに対し、町長は税率改正の状況を説明し、加入者負担の軽減を図ったことを述べた。
また、五味議員は中小企業や農業者を支援する施策の重要性を訴え、その中で学校給食での地元産農産物の活用を提案した。町長はこれに応じて、事業者、農業者支援の取り組みとして、給付金を交付したり、町産米の購入事業を実施していることを説明した。
さらに、デマンドタクシー導入や学校体育館へのエアコン設置の検討など福祉施策についても質疑が行われ、町長は一部施策を進める考えを示した。特に、教育環境の整備の重要性を強調し、今後の取り組みについて意欲を示した。
このように、五味議員の質疑に対し、大島町長は施策への考え方を回答し、町の財政や住民サービスの向上に関する意欲を伝えた。一方で、議論の中では住民の負担軽減に向けた具体的な方策が求められているといえる。
本定例会は3月1日から7日という日程で休会となり、次回は3月8日に一般質問を行う予定である。これにより、今後の施策についての議論がさらに進むことが期待される。