令和2年9月14日に行われた本庄市議会第3回定例会では、様々な意見が交わされた。
特に注目を集めたのは、内田英亮議員による本庄早稲田の杜ミュージアムおよび文化財行政に関する質問だ。内田議員は、本庄市が歴史的な文化財を活かし、地域振興を図るための施策について指摘した。新たに設立されるミュージアムのオープンが10月15日であることを教育長は説明し、市と早稲田大学が共同で運営する意義を強調した。
また、内田議員は、市が文化財保護課を中心に、歴史を生かした包括的なまちづくりを進める必要性についても述べた。そこで、文化財の基本計画を策定するにあたり、全庁的な協力を呼びかけた。教育長は、ミュージアムが地域の魅力を引き出し、広報や啓発活動の重要性を認識しているとの考えを示した。
新型コロナウイルス感染症による影響も議論された。特に、清水静子議員が地域交通や医療体制について質問した。医療体制の不足や高齢者向けの減少した加入率について述べた。市長は、感染防止策をしながら経済活動の再開を目指す考えを示し、地域の健康を守るための具体的な施策をあげた。特に、医療分野では、産科や小児科の不足が大きな問題であると認識しており、地域で必要な医療サービスの整備へ向けた取り組みを強化する意向を示した。
さらに、予算編成の動向についても言及された。市税収入の減少や補助金の不透明性が懸念されており、歳出見直しが求められる状況である。市長は、事業の見直しと効率化を図りながら、健全な財政運営を維持していく意思を表明した。
最後に、町田美津子議員は県立児玉高校と児玉白楊高校の統合問題について、地域の意見を反映させるための協議会設置を求めた。教育委員会事務局長は、協議会の設置が必要であると認識しているものの、現在の県の方針に従って進めていく必要性を説明した。今後は、教育局との連携をもって、地域の意向が反映されるよう努める方針が示された。
このように、幅広い議題が取り上げられ、市民の意見が重要視されることが強調された本庄市議会。
市の歴史的資源を活かすため、そして新型コロナウイルスによる影響克服に向けた取り組みを進めていく必要があることを改めて確認したことが印象的であった。