令和元年6月20日に開催された本庄市議会第2回定例会では、市政全般にわたる質問が行われた。議員は、特に水道事業や障害者支援、保育園での支援体制など市民生活に深く関わるテーマについて活発に意見を交わした。
最初に水道事業の現状が取り上げられた。巴高志議員は、水道管の老朽化対策や耐震適合率の状況について疑問を呈し、本市の水道事業が今後直面する課題に対して対策を講じる重要性を指摘した。福島好則上下水道部長は、現在の水道管の総延長553キロメートルのうち、耐震適合率が35.3%であることを明らかにし、今後の更新計画に基づいて耐震化や長寿命化の取り組みを強化する意向を示した。
次に、医療費削減の一環としての生活習慣病重症化予防事業についても質問があった。堀口伊代子議員は、特にヘルスリテラシーの向上が医療費削減に寄与する点を強調し、さまざまな地域活動を通じて市民の健康意識を高める施策が必要であると述べた。岡野美香保健部長は、市民参加型の健康づくりイベントやマイトレ教室の実施を通じて、健康維持に努めていることを報告した。
その後、障害者スポーツ・レクリエーション振興について話題が移り、堀口議員は障害者がスポーツを楽しめる環境を整備する必要性を強調した。高橋利征教育委員会事務局長は、すでに開催している障害者レクリエーション活動事業や、健常者との交流の機会を増やす取り組みについて説明した。
市民からは、公園の障害物の剪定や、防犯灯の設置、ゴミ収集所の適正場所についても意見が寄せられた。特に、冨田雅寿議員は、歩行者の安全を脅かすようなごみ収集所の設置状況に懸念を示し、改善の必要性を訴えた。この質問に対し、地域住民の協力が重要であることを市は理解する一方で、現行の制度の枠内での改善を模索していく意向を示した。
地域密着型のイベントの必要性を訴える意見もあり、本庄市の独自性を生かしたイベントが求められている。市民、関係各所との連携を強化しながら、より多くの市民が参加できるよう、柔軟に対応していく考えが示された。
最後に、保育園における気になる子への人的加配についても指摘があり、現行の支援制度の限界を感じる意見が続出した。岡野美香保健部長は、人的配置の重要性を認識し、助成制度の改善に向けた調査研究を続けていくとしつつ、保護者や地域の声への対応を強化していく方針を示した。
議会は、多岐にわたる内容で市民生活の向上に向けた議論が交わされたことが特徴的であった。今後も市民一人一人のニーズに応える施策の充実が期待される。