本庄市議会の令和5年第3回定例会が9月14日に開かれ、様々な議題が取り上げられました。中でも、議員からの市政に対する一般質問が大きな注目を集めました。
今回議題の一つである用排水路の管理に関して、粳田平一郎議員は特に地元農業者の現状について触れ、高齢化が進む中での維持管理体制の課題を指摘しました。粳田議員は、「当初は農業者による排水路の管理が行われてきたが、昨今の農業者の減少により、非農業者も参加する中で、地域の管理機能が損なわれる恐れがある」と強調しました。
これに対し、市長の吉田信解氏は、「農業用用排水路は地域全体にとって重要な資源であり、地域住民の協力が必要である」と応じ、さらに「多面的機能支払交付金を活用し、地域全体で管理を行う方針を堅持する」と述べました。また、高齢化に伴う作業効率の低下や事故の懸念についても触れ、「自治会との協力体制を強化し、これまでの管理体制を見直す必要がある」と指摘しました。
また、共和小学校近隣に位置する蛭川農村公園の整備に関しても質問が上がり、こちらは清水静子議員からの問いかけに対し、市長が現行の公園の状況を説明し、今後の整備計画についても言及しました。蛭川農村公園のトイレ改修や遊具の設置については、引き続き調査・検討していく方針を示し、地域住民の要望を受け止めながら進めるとの意向を表明しました。
さらに女堀川の改修に関する質問もあり、台風19号の影響を受けた改修状況について市長が説明しました。今後、河川改修工事が進む中で、特に地域住民との協働を重視し、地元自治会との意見交換も続けると約束しました。
他方で、再生可能エネルギー施設についても、議員からの厳しい指摘がありました。特に設置事業者とのトラブルや自然環境への配慮が求められる中で、吉田市長は、「本市でも条例の制定を検討し、地域とともに適正な施設づくりを進めていく」と答え、多くの市民とともにこの問題への対応を講じていく意向を示しました。
このように、多岐にわたる市政の諸問題が取り上げられる中で、本庄市は利用者一人ひとりの声に耳を傾け、持続可能なまちづくりを目指していることがうかがえました。市長は、「市民の意見を反映しつつ、未来志向のきめ細やかな施策を進めて行く」と最後に力強く述べ、会議は散会しました。