本庄市議会は、令和3年第2回定例会において、市民参加型の「誰一人取り残さない施策」をテーマに議論を行った。議案はさまざまな視点から進行中のプロジェクトや課題解決策を再確認し、詳細な質疑が行われた。
まず、市政に対する質問で林富司議員が本庄早稲田の杜地域の今後の取組について言及した。市長の吉田信解氏は、この地域が都市再生機構のプロジェクトに貢献し続けている状況を説明し、市民や企業との協働を強調した。特に交通インフラの整備状況や企業用地の活用について、都市計画の見直しが必要であるとの認識を示した。
次に、清水静子議員が取り上げたのは、ヤングケアラー支援についてである。高橋和美議員は、特にこの問題がコロナ禍でさらに浮彫りになったと指摘し、市長はその影響や、県の新しいケアラー支援施策について答弁した。教育現場でのヤングケアラーの実態把握について、特にアセスメントを行う必要性を訴え、新たな支援体制の検討を進めていると説明した。
広報と広聴の問題に関しては、堀口伊代子議員がコロナ対策を事例に挙げ、情報発信方法の見直しを提案した。市長は、伝わる広報を目指し、年齢層に応じた媒体を選定する必要性を述べ、さらなるデジタル化の進展に向けた取り組みを進める意向を表明した。特にユーチューブなど動画配信の活用を進め、情報の周知に努めていると強調した。
次に、教育委員会の勝山勉教育長は、学校教育の中で「誰一人取り残さない」理念に基づく個別最適な学びの重要性を説明した。特に支援の必要な児童生徒に対する支援強化のため、各種連携体制を構築中であるとも述べた。また、教育と福祉の連携の強化に関しても述べ、相互協力の重要性を再確認した。
さらには、不登校児童生徒の支援についての議論もあり、教育長は不登校の背景にさまざまな理由があることを指摘し、必要に応じた支援計画の重要性を認識していると答えた。清水議員の不登校児童に対する給食費の返還についての質問には、現行制度の範囲において対応が難しいとの回答があり、支援策の見直しについての検討が必要であるとの見解を示した。
最後に、網膜色素変性症に対する支援策についても質問があり、具体的な支給対象として「暗所視支援眼鏡」が位置づけられた。このように議会では、生活向上に向けた具体的な施策が話し合われた。市は今後、継続して効果的な支援策の充実を図る考えを示しており、特に誰一人取り残さない社会の実現を目指していく意向を強調した。