令和6年の富士見市議会定例会が開催され、一般会計当初予算に関する質疑が行われた。
議長の田中栄志氏が進行し、各会派から質疑が相次ぎ、特に財源不足や新庁舎、スポーツ施設整備に対する議論が中心となった。
初めに、会派公明党の篠原通裕議員が令和6年度予算の財源不足について質疑を行った。水口知詩政策財務部長は、「財源不足は13億円程度で、物価の高騰や扶助費の増加が要因だ」と述べ、その対応策として公共施設整備基金や財政調整基金の繰入れを検討していると説明した。
次に、新庁舎整備や多目的屋外スポーツ施設整備について、疑問が寄せられた。篠原議員は、「庁舎整備が財政へ与える影響はどうか」と再質疑し、水口部長は、「庁舎整備の影響はあるが、長期的には市民生活に寄与する」と強調した。
草の根の加賀奈々恵議員は、登下校の安全確保と教育現場の支援についても質問した。学校統括監の武田圭介氏は「安全掲示板の充実や地域との連携が重要」として、地域ボランティアによる見守り活動の継続に期待を寄せた。
また、多くの議員が関心を寄せたのが、福祉避難所の開設訓練であった。高齢者や障がい者に配慮した訓練が求められる中、古寺優一危機管理監は「全ての福祉避難所での訓練を計画する」と述べた。
最後に、学校給食に関する質問も興味深い内容で、給食センターの整備計画が示された。星野光弘市長は、「子どもたちの未来を見据え、快適な食環境を提供する」として、給食管理の適正化を図っていく意向を示した。
今回の質疑は、富士見市が抱える財政的な課題に焦点が当てられ、特に新庁舎やスポーツ施設整備に向けての方向性が確認された。市民の生活に密接に関わる施策に対する質問が多く寄せられ、もたらされる影響への配慮が強調された。