令和5年第3回定例会が9月14日に開かれ、市政一般質問が行われた。議員たちは、富士見市の公共施設や地域の安全、情報化の進展、さらには文化芸術振興について、幅広く質問を展開した。
本会議では、小泉陽議員が公共施設マネジメントについて言及した。彼は、「高齢化や人口減少に伴う財源不足が懸念される状況下で、公共施設の維持管理が求められている」と述べ、具体的に富士見市公館の個別施設計画の進捗状況や実現性について質問した。
これに対し、総務部長は、「公共施設の老朽化に伴い、修繕や建替えが必要だが、厳しい財政状況において適切な管理が必要」と述べ、資源の効率的な再編や集約化の重要性を強調した。具体的には、施設管理の透明性向上や市民との情報共有を図りたいとした。
また、鶴瀬駅西口土地区画整理事業についても議員からの質問があった。この事業が進行中であることや、地域情報の乏しさに対する市の対応が求められた。市は、関係機関への周知が不十分であると認め、「住民への説明不足を改善し、プロジェクトの透明性を高める必要がある」との答弁があった。
さらに、文化芸術振興基本計画の進捗状況にも質問が及んだ。特に、コロナ禍による影響を受けたことが指摘され、次期計画の策定に向けて地域活動の充実が求められた。これは、地域の文化活動が市の振興に寄与することを期待させるもので、市は早期の意見交換会の開催を検討することで、柔軟な運営の道筋を描いていく意向を示した。
また、DX推進に伴う情報弱者への対応については、小泉議員がデジタルデバイドの懸念を打ち出し、市が行う支援の重要性を訴えた。教育分野では、高齢者向けの講習会やデジタル機器の扱いに関する支援が進められているが、具体的な数や効果の報告が今後求められるだろう。
本会議の中では、鶴瀬駅西口の公共事業の進捗に関する市の報告が行われたものの、住民への理解促進については、今後なお一層配慮が必要であるとの認識が共有された。各議員は、市民生活に直結する課題解決に向けた姿勢を示し、施設管理や地域サービス向上に努めることが求められた。
総じて、この日の質疑を通じて、富士見市の行政運営の透明性や市民との対話の重要性が再確認された。市政における基盤整備や意見反映の活発化が期待され、今後の動向に注目が集まる。