令和3年3月10日に開催されたふじみ野市の定例会では、市政に関する一般質問が行われた。特に注目を集めたのは、山田敏夫議員による新型コロナウイルス感染症によって引き起こされた社会的課題に関する発言である。山田議員は、コロナ禍によりさまざまな社会問題が発生していることを憂慮し、特に児童虐待やDV(ドメスティック・バイオレンス)の増加について言及した。
山田議員は、警察庁の統計を引用し、児童虐待の疑いがあって警察が児童相談所に通告した数が前年比8.9%増の10万6,960人に達し、DVの相談件数も過去最多の82,642件に達した状況を説明した。自身の質問に対し、土屋浩市民生活部長は、ふじみ野市におけるDV相談件数は133件で、前年とほぼ横ばいと述べた。
次に、山田議員は公共施設に市民の絵画等を展示することの必要性を訴え、ふじみ野市が進めている西地域文化施設等の整備に伴って、市民作品の展示の考え方を問うた。浦谷健二市民活動推進部長は、既に市内で多くの市民ギャラリーが活用されている点を強調し、新しい文化施設においても地域のアーティストによる作品展示を積極的に行う意向を示した。
新河岸川緑道に関しても議論が交わされた。山田議員は緑道の劣化や斜面林の荒廃状況に警鐘を鳴らし、今後の整備計画を求めた。これに対し、関連部門の責任者は、埼玉県との協力を通じて現状の治水整備を改善する方針を示した。
ふじみ野市では現在、コロナに端を発した社会問題への対策が急務となっており、児童虐待やDVに関する施策の強化が求められている。市民を結ぶ文化の振興や、緑地環境の維持・管理も重要なテーマとして浮上し、地域住民の意見を積極的に取り入れた施策展開が期待される。