令和2年第1回南城市議会(定例会)が開催され、公共施設や行財政改革など多岐にわたる議題が取り上げられた。市長や教育長らが出席し、議員とのやり取りを通じて様々な方針が明らかとなった。
最初の大きなテーマは公共施設についてであった。島袋裕介議員は、地域の公共施設が老朽化している現状を指摘。特に、大里勤労者体育センターが36年以上経過し、利用者の安全が確保されていないと強調した。具体的には、約48%の施設が築30年以上であり、更新費用が889億円にのぼるという危機的な状況が報告された。新垣聡総務部長は、「老朽化施設の廃止については早急に検討を進める」と述べた。
次に行財政改革についての議論に移った。予算の厳しさが増す中、歳入確保のための施策が必要であるとし、企業誘致の重要性が再確認された。新垣部長は「自主財源の増収に努める」としたが、課題として赤字比率の上昇が指摘された。この点に関して、市民からの理解を求める姿勢も見えた。
学校給食に関する問題も大きな焦点となった。上地寿賀子議員は、異物混入の問題を取り上げ、教育長に対し「安全性についての確認がなされていないのではないか」と質問した。特に、異物混入の件数が報告され、処理について対策が十分でない点が非常に懸念された。教育部長は「マニュアルを徹底しているが、さらに改善に努める」と発言したが、市民からのさらなる信頼を得るためには行動が求められるだろう。
また、家畜排せつ物の処理についても言及があった。南城市の畜産業が地域の環境に与える影響が増している中、持続可能な方法での処理が必要であると強調された。農林水産部長は「循環型農業への推進を目指す」とし、現状の問題に取り組む姿勢を示した。一方で、地域住民からの協力も得なくてはならないという意見もあった。
議会の終息に近づくにつれ、森山悟議員は、交通課題、特に富里交差点の信号機設置を訴えた。過去に事故が多発している交差点であり、「早急な対策が求められる」と述べた。市民部長は警察と協議を行っていると答えつつ、さらなる対策を講じる意向を示した。このように、議会では市民の声を反映した議論が展開されたが、今後も市政が透明性を保ちながら進展することが望まれます。