令和2年12月8日に南城市議会で行われた定例会では、子ども医療費助成の拡大や公共施設の充実を含む重要な議題が取り上げられた。これに関連して、島袋裕介議員が子ども医療費助成事業について言及した。これまでのところ、市の助成制度が就学前の子どもたちに対して行われているが、県が提案した中学卒業までの助成拡大が焦点となっている。南城市市民部長の永吉盛哲氏は、この拡大の可能性を認め、「令和4年4月から実施を検討している。現在の見込みでは、約8,113名の対象者と1億6,000万円の総事業費が予想されている」と述べ、県との連携を強調した。
次に、買い物弱者支援事業についての対策が検討された。この事業は、特に高齢者や障害者に対する移動販売車の活用を目指しているが、実績が乏しいため運営が難しい状況だと報告された。南城市農林水産部長の嶺井洋氏は、今後は漁業者への貸し出しなどを進め、採算を確保できるような運用を模索する意向を語った。
公共施設について、宮崎秋夫議員が地域のサービス向上を求め、公共施設の統廃合と新施設の建設が議論された。市企画部長の糸数義人氏は、公民館等の統合計画を進めつつ、住民の意見を取り入れる重要性を認識していると述べた。特に、児童館の新設に関して地元住民の要望が高まっており、地域との協議が課題になっている。
さらに、文化遺産の保存に関する議論も行われた。教育長の上原廣子氏は、地域の宝である文化遺産を積極的に保存し、活用することで観光産業の振興に寄与したいと述べた。市全体での意識向上や参加を呼びかける姿勢が求められている。
最後に、市は南城市内のNバスの運行状況に関しても触れ、利用促進のための具体策を講じていく意向を示した。市長の瑞慶覧長敏氏は、地域交通の活性化を目的に予算の獲得努力を続けると強調した。