令和3年第203回名護市定例会が、令和3年6月10日より開会した。議題の中で、特に注目されたのは、行政区への加入促進の問題である。平光男議員は、名護市全体の加入率が34.3%であり、羽地地区に至っては59%と、高い加入率を誇りながらも、さらなる向上が求められる状況にあると強調した。
市当局の平得薫地域経済部長は、名護市全体の区への加入促進活動の一環として「市民のひろば」の活用や、各区の魅力を紹介する特集記事の発信を進めていると述べた。さらに、各区長と連携をとり、加入促進に向けた周知活動を進める方針を示した。
次に、コロナワクチン接種状況について、仲本太市民部長は、名護市の感染状況が依然として高水準にあることを解説した。現在、新型コロナウイルスの感染者は709名に達しており、接種状況も6月8日までに4,426名が接種を完了している。これに加え、今後の接種受付体制の改善についても言及し、多くの方々から高齢者の電話予約の際の混乱についての苦情が寄せられていることを踏まえ、改善の施策を検討していることを明らかにした。
さらに、平光男議員の質問に対し、農地利用や道路整備についても活発な議論がなされた。特に、川上地域の道路舗装整備や羽地大川のしゅんせつと草木の除去についての要望が強く、当局からも実施状況の説明があった。これは地域住民からの要望が背景にあり、地域の基盤整備に対する期待が寄せられていることを示している。
また、基地問題に関する質問では、東恩納琢磨議員が美謝川の切替えについて、市の法定外公共物管理条例の適用について再度確認した。市がこの工事に関してどのように対応しているのかが焦点となり、祖慶実季総務部参事がその状況について詳細な説明を行った。市長の渡具知武豊氏も、国との関係についての行政的な見解を示し、今後の動向に注視する立場を明らかにした。
また、コロナ禍による経済支援事業では、名護市が独自に実施した支援金事業に関して、給付実績が983件であることが報告され、大幅な給付が行われたと伝えた。これにより、地域経済の活性化に向けての施策が継続して実施される見込みである。
議会は、様々な施策や問題点について議論を進め、名護市の課題解決に向けた方針が共有された。今後の取り組みに期待が寄せられる。