令和元年7月26日に開催された第289回名護市議会臨時会では、市長から提出された議案2件が審議された。議案の内容は、土地の取得と処分に関するものであり、議会は両案件を可決した。
議案第44号は、名護・やんばるの自然と文化拠点施設整備事業用地の土地取得についてである。渡具知武豊市長は、この土地が観光促進や文化資源の保全に寄与するものと説明し、議会の慎重な審議を求めた。総務部長の祖慶実季氏は、提案した土地の位置や面積、その価格について詳細を述べた。議案第44号では、名護市字名護知真嘉原3606番から3641番までの土地の取得を計画しており、総面積は27,354.43平方メートル、購入価格は約2億3,069万2,041円である。
議案第45号は、旧消防庁舎等の跡地処分についてであり、こちらも渡具知市長によって提案された。地域政策部長の松田健司氏は、売却先が大和ハウス工業株式会社沖縄支店とその共同企業体であり、売却価格は4億2,000万円であることを報告した。議案の反対意見として、大城敬人議員は、地元との協議不足や透明性の欠如を指摘し、議案に対して異議を唱えた。
質疑の中では、議員が地域住民との連携や説明会の開催について重要性を訴えた。その結果、市当局は今後、住民説明会の開催を約束し、地域との円滑なコミュニケーションを図る方針を示した。特に、地域政策部長は、事業者主催の説明会に名護市も同席し、住民と直接対話することを強調した。
また、質疑応答では、新博物館の開館までのスケジュールや、跡地の活用計画についても話し合われた。市当局は、博物館のオープンを令和4年10月に予定し、その際にも地域住民との協議を進めると応じた。こうした背景の中で、議案第44号は可決され、新博物館計画の一環としての土地取得が進められることとなった。議案第45号についても、背景や条件の明確化がなされた後に可決され、名護市の発展に寄与することが期待されている。
この臨時会を通じて、議会は名護市の将来的な発展に向けて、土地の取得と処分に関し、慎重な議論を重ねたことが重要視される。