令和4年第208回名護市定例会が開催された。
その中で、高山 侑三議員は過疎地域の人口減少対策についての質問を行った。平成22年のデータを確認した結果、特に屋我地島や羽地地域での人口減少が進んでいる。これに対し、名護市は地域の特性を生かした拠点整備や交通インフラの改善などに取り組む方針を示している。
過疎地域の住環境や雇用の確保が急務である点が指摘され、さらに具体的な施策を求める声が上がった。市当局は、既存の「わんさか大浦パーク」や「羽地の駅」の強化が、地域のにぎわいを取り戻す一助になると期待しているが、実際の経済効果や集客数についての具体的数値は示されていない。
続いて農業振興に関する質問があった。農業政策課は新規就農者の支援として、補助金を設けていることを確認した上で、具体的な新規就農者数を報告した。しかし、年度ごとの差が大きく、安定した雇用の創出が困難である現状が浮き彫りとなった。また、名護市産の農作物に対するブランド戦略として「名護産」という名称を定着させる取り組みが進められているものの、特定品目のブランド化には踏み込んでいない。
高山議員は、体験型の観光プログラムの必要性について強調したが、当市では運営者が撤退したため休止中であることも話題に上がった。今後新たな運営者が決まり次第、農業体験の機会を再開する予定との答弁があった。
地域住民からの多岐にわたる陳情についても、各案件に対する市の対応が報告された。特に仲尾次地区や済井出地区からの陳情が市に対して提出されているが、道路整備や街灯設置といった具体的な行政行為については慎重な姿勢が求められていた。
最後に、辺野古新基地建設に関して、高山 議員は県民投票を引き合いに出し、名護市民の民意が反対であると取り上げた。市長はその結果を事実として受け止めているとしつつも、その背景にはSACO合意による施策などを挙げた。都道府県の基地負担軽減に至るまでの具体的な道筋については依然として疑念が残る状況で、今後の調整や意見表明が重要であるとの認識を示した。