令和3年第202回名護市定例会が開催され、多くの議員から重要な質問が提起された。特に話題となったのは、普天間飛行場の代替施設建設問題や基地負担軽減策についてである。
市長の渡具知武豊氏は、普天間飛行場代替施設建設について、国や県の法的な争いの行方を注視し、その結果に応じた対応をすると述べた。この発言に対し、議員からは市民の間の意見の多様性に鑑み、明確なスタンスを示すべきとの意見もある。
基地負担軽減の取り組みについては、国と県との協議による渋滞緩和策について一定の成果が見られたものの、根本的な解決には至っていないとの現状報告があった。市は、住民の負担軽減に向けてさらなる努力を継続すると強調した。
また、沖縄県が掲げる「在沖米軍専用施設を全国比で50%以下にする」目標についても、渡具知市長は、県が掲げた数値目標に対して名護市としてどう寄与していくかについては慎重な姿勢を崩さなかった。
新基地問題を巡っては、陸上自衛隊と米軍との間での合意も浮上したが、市長は防衛省からの情報を引き合いに出し、配備計画はないとの見解を示した。こうした情報の流れの中で、市として真剣に対応していく必要性が指摘された。
ワーケーション施設やコミュニティバスの運行についても議論があり、名護市内企業のワーケーション推進は観光産業の回復に寄与する重要な取り組みとして評価された。コミュニティバスの運行は地域住民の交通手段の確保を目指す重要な施策であり、次年度からの本格運行に向け多くの実績を積む必要があるとも強調された。
市としては、基地問題には引き続き慎重に取り組み、観光業や交通政策にも力を入れる姿勢を見せている。地方自治体におけるさまざまな課題に対し、議論を重ね、市民と共に未来を見据える方針が求められる。