令和3年第203回名護市定例会が、名護市議会議場で開催された。議題には、動物愛護と防犯の取り組みや辺野古新基地問題が含まれており、特に重要なテーマとして取り上げられた。
一般質問では、岸本洋平議員が動物愛護の現状について問うた。特に、市内で発生した動物虐待事案に対し、市の取り組みを求めた。環境水道部長の佐久川博光氏は、動物愛護行政として、迷い犬の飼い主への返還や、野良猫の不妊・去勢手術支援を進めると述べ、相談件数は昨年度238件に達していることを報告した。
その後、岸本議員は辺野古新基地問題に触れ、建設影響に対する市の見解を問うた。渡具知武豊市長は、普天間飛行場の代替施設建設について、国と県間の見解の相違を強調し、状況を見守る必要があると発言した。この点について議論が続く中、岸本議員は市長の見解に疑問を呈し、市民の生命・財産を守るための毅然とした対応が求められるとの意見を示した。
さらに、岸本議員は新型コロナウイルスの影響下での教育環境整備についても質問した。教育次長の岸本尚志氏は、1人1台端末導入による遠隔授業が始まったことを説明し、利便性の向上を報告したが、通信環境整備に関連する課題もあわせて指摘した。子供たちに質の高い教育を提供するために、引き続き改善が必要との意見が相次いだ。
最後に、名護湾沿岸基本計画における市役所本庁舎の移転についても言及され、平成28年の市役所庁舎移転・更新計画に関する進捗報告も行われた。これにより、地元住民との合意形成や必要な財源確保に向けた検討が進められることが期待されている。
定例会は、その重要な議題を通じて市民の関心を引く内容となり、名護市の未来へ向けた展望を示す場となった。